2022-01-01から1年間の記事一覧
ジェスミン・ウォードが2020年のアメリカ人作家の短編から編纂した「アメリカベスト短編集2021」。前回の更新からだいぶ時間が経ってしまったが、ようやく後半の残り10作を紹介。大物作家ソーンダーズや、デビュー長編が邦訳されたばかりのC・パム・ジャンな…
前回1000頁のメガノベルを読んだことだし、初めての試みとして短編のアンソロジーを読んでみた。今回紹介するのは、2020年のアメリカ人作家の短編からセレクトした「アメリカベスト短編集2021」(タイトルの2021は出版された年で、『2022』は11月出版予定)…
編集者である知人Mがこんな話を聞かせてくれたことがある。Mがとある寿司屋に入り、たまたま隣に座ったアメリカ人と話してみると、なんとそのアメリカ人は学生時代にポストモダン文学を専攻、しかもトマス・ピンチョンを研究していた人物だった。Mは自分がリ…
2021年の全米図書賞受賞作。本書の紹介の前に、ここ数年のアメリカの文学賞受賞作で差別を扱った作品について考えてみよう。つまり、オバマ大統領当選によって「人種差別は終わった(ポスト・レイシャル)」と言われた時代以降に「人種差別(レイシャル)」…